悠久の歴史と伝統をもつ、わが国日本。その日本の歴史文化の中でいくつもの政治体制を経、現在のわが国は、西欧の立憲君主制に近い制度を採用しています。王が君臨すれども、内閣は国王でなく議会に対して責任を負うというものです(議院内閣制)。一方、わが国の天皇とそれをとりまく皇室の制度は大日本帝国憲法から日本国憲法に引き継がれるかたちで、総覧者から象徴へと変化こそ遂げはしましたが、わが国の実質的には「国王、王室」として存在しています(尤も保守主義者は天皇陛下の存在は憲法の枠で語れるものではないとお叱りを受けるかもしれませんね。)。西欧の歴史では絶対王政の専制政治から急進的な革命またはイギリスの名誉革命のような穏健な革命を通して、フランスのような共和制もしくは「君臨すれども統治せず」というイギリス型の立憲君主制へと進化を遂げ、近現代の民主主義的な政治体制により近づくこととなります。私はリビジョニストでも何でもないのですが、日本の歴史(国体、国柄)というものは、平安の世から熟していたと考えます。であるからこそ維新こそあれ、大きな政変は起こっていないのだと思います。それは、「帝(みかど)」を頂きながら、時の為政者が権力を行使するという、権力と権威の使い分けが早くから意識されていたと考えられるからです。またそれが悪いことだとは思いませんが、いわゆる「天皇親政」の期間はわが国の歴史上非常に短く、常に幕府や摂政、関白がその代わりとして政治を行っていました。これは、明治以降、特に西欧型の立憲君主体制が導入される前よりはるかに長い歴史をもっています。この、帝を支える一つのシステムが現代では皇室となります。現代での皇室の存在意義は多様化してはいますが、天皇を家系的にも、宗教的にも支えるということにその本質があるのではないかと思います。そして、天皇の権威の源泉は、神代の昔より脈々と連なる男系の皇統にもひとつの根拠を見出せるかと思います。
ところで、先日宮内庁の羽毛田長官が「皇位の安定的継承という意味で課題を残している」と指摘した上で、「内閣にも私どもなりの課題と考えているところは申し上げてきた。今後も折をとらえて申し上げていく」と発言されました。皇位継承に関することは、私たち国民にとっても関心が高いことです。そして、歴史と文化と私たち国民の現代の考え方に充分に配慮した安定的継承の道が開かれることは、政治の安定などを考えるまでもなく、非常に有意義なことだと考えます。こういった事象において、予断を挟むことは極力差し控えなければなりませんが、一般の方で男系男子の子孫の竹田恒泰さんという方が皇室の縁故者としていらっしゃる事は大変有名です。私は、ああいったいかにも日本人的で親しみやすく、かつ多くの皇族国民双方の支持を得られる方が、皇籍に復帰して頂くのが国民感情的にも当然なのではないかと思います。
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